皆さんは「合成肉」などに代表される実質の原料を使わずに作られる製品が海外を中心に研究されていることをご存知でしょうか?
スタートアップ(いわゆる株式で資金を調達し、爆発的な成長を目指す企業)では、将来の食糧危機を予測して様々な食品を代替する方法を模索している会社も出てきました。今回は、日本酒にも米を使わずに造っていく取り組みがあったので取り上げていきます。
合成日本酒を開発した企業とは?
米カリフォルニア州のサンフランシスコを拠点とするエンドレス・ウェスト(Endless West)
ブドウを使わずに作る合成ワインを発表した。同社はまた、研究室で作る分子日本酒も発表しています。
これらの商品は、必要とする天然資源や製造過程で出る二酸化炭素が少ないそうです。
・合成ウイスキー商品の「グリフ(Glyph)」
・合成ワイン商品の「ジェメッロ(Gemello)」
・合成日本酒商品の「カゾク(Kazoku)」
製造のプロセスは?
エンドレス・ウエストが発表するお酒の製造プロセスは、まずアルコールを分子レベルから分析し、天然資源から味分子を作り出し、それをエタノールと水に加えることで酒を再現すしているそうです。
味に関しても元々の酒にできる限り近づくまで、形成された化合物に対して実験を重ねて開発しているそうです。
「イタリア語で『双子』を意味する『ジェメッロ』は、世界初の分子ワインです。ブドウを使わずに生産され、農薬や亜硫酸塩は含まれない。従来型のワイン生産と比べて生産に必要な水は95%少なく、土地は80%少なくて済み、排出される二酸化炭素は40%減る。日本語の『家族』から名前を取った『カゾク』は世界初の分子日本酒で、米を使わず作られたものだ。従来型の日本酒醸造プロセスと比べて生産に必要な水は75%少なく、土地は60%少なくて済み、排出される二酸化炭素は40%減る」
日本酒を模した飲料であるカゾクは穀類の中性スピリッツと天然香味料を使い、アルコール含有量は16%になるそうです。
製品販売のターゲットは?
ブドウを使わないワインや米を使わない日本酒は、それぞれの愛飲家にとっては的なことに思えるかもしれません
しかし、エンドレス・ウェスト目指しているのは、ユニークなものを求める人や、環境意識が高く、アルコール産業が地球環境にもたらす影響を懸念する人などをターゲットにしているそうです。
まとめ
ワインや日本酒は伝統が重んじられる一方で、世界的なトレンドになっている環境問題への配慮もあります。
どちらが正しいというよりは、様々なアプローチを通して環境の変化に対応する取り組みとしては、こういった取り組みも興味深いですし、
体験できる機会があればしていきたいと思います。